2つの「休日」を区別する
日本の祝日制度を扱うとき、混同しやすいのが「振替休日」と「国民の休日」です。 どちらも国民の祝日に関する法律(祝日法)に基づく休日ですが、根拠となる条文も、発生する条件も異なります。 営業日計算や連休計画では、両者を区別しておかないと祝日数や連休日数を読み違えることがあります。
| 項目 | 振替休日 | 国民の休日 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 祝日法第3条第2項 | 祝日法第3条第3項 |
| 発生条件 | 祝日が日曜と重なる | 前日・翌日の両方が国民の祝日 |
| 休日になる日 | その後最も近い平日 | 挟まれた平日 |
| 制度開始 | 1973年 | 1985年 |
振替休日(祝日法第3条第2項)
振替休日は、国民の祝日が日曜日と重なったときに、その後で最も近い「国民の祝日でない日」を休日とする制度です。 1973年(昭和48年)の祝日法改正で導入されました。 条文は次のとおりです。
「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
ポイントは「最も近い」が必ずしも月曜ではないことです。 たとえば月曜も祝日で、その後の火曜が振替休日になる年もあります。 土曜と重なった場合は振替休日にはなりません(土曜が法定休日ではないため)。
年別の振替休日は 2026年の祝日一覧 〜 2028年の祝日一覧 で確認できます。一覧の「種別」欄に「振替休日」と表示しています。
国民の休日(祝日法第3条第3項)
国民の休日は、前日と翌日の両方が国民の祝日である平日を休日とする制度です。 1985年(昭和60年)の祝日法改正で導入されました。 条文は次のとおりです。
その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
代表的な例は 5 月 4 日でした。 1988年から2006年まで、憲法記念日(5月3日)と「こどもの日」(5月5日)に挟まれた 5 月 4 日は国民の休日として扱われていました。 2007年の祝日法改正で 5 月 4 日が「みどりの日」として国民の祝日に格上げされたため、現在は国民の祝日です。
現在の主な発生例は、敬老の日(9月の第3月曜)と秋分の日が 1 日違いとなる年に挟まれる火曜日です。 2026年9月22日(火)、2032年9月21日(火)などが該当します。 シルバーウィークと呼ばれる長い連休が成立する条件として知られています。
連休計算で気をつけるポイント
営業日計算や旅行予約では、次の3点に注意しておくと連休日数を読み違えにくくなります。
- 振替休日は日曜と重なったときのみ発生し、土曜と重なっても発生しない。
- 国民の休日は祝日と祝日に挟まれた「平日」だけが対象で、土日が挟まれた場合は発生しない。
- 祝日法の改正で個別の祝日が増減した場合、過去の連休日数と当年の連休日数を単純比較できない。
実務では、年別の祝日一覧と振替休日・国民の休日のフラグを確認した上で、営業日計算や納期計算を進めるのが安全です。 営業日計算の具体的な手順は 営業日計算で祝日を除く方法 を参照してください。
FAQ
振替休日と国民の休日はどう違いますか?
振替休日は祝日が日曜と重なった場合、その後で最も近い平日が休日になる制度です。国民の休日は、前日と翌日の両方が国民の祝日に挟まれた平日が休日になる制度です。根拠条文も成立経緯も異なります。
祝日が土曜と重なったときに振替休日はありますか?
ありません。祝日法第3条第2項は「日曜日に当たるとき」とだけ定めており、土曜日と重なった場合の振替休日は発生しません。土曜が法定の休日ではないことが理由です。
5月4日はもともと国民の休日でしたか?
1988年から2006年まで、5月4日は憲法記念日(5月3日)と「こどもの日」(5月5日)に挟まれた平日として国民の休日扱いでした。2007年の祝日法改正により「みどりの日」として国民の祝日に昇格し、国民の休日ではなくなりました。
敬老の日と秋分の日の間に国民の休日が発生する年は?
敬老の日(9月の第3月曜)と秋分の日(9月22日または23日)の間に平日1日だけが挟まれる年は、その日が国民の休日になります。直近では2026年9月22日(火)、2032年9月21日(火)などが該当します。
振替休日が翌週まで持ち越されることはありますか?
あります。祝日法第3条第2項は「最も近い『国民の祝日』でない日」を振替休日とするため、月曜が祝日と重なった場合は火曜以降の最も近い平日が振替休日になります。
関連ページ
年別の祝日と振替休日・国民の休日の一覧は 2026年の祝日、2027年の祝日、2028年の祝日 で確認できます。営業日への落とし込みは 営業日計算で祝日を除く方法 をご利用ください。
出典: 内閣府「国民の祝日について」、国民の祝日に関する法律。条文は e-Gov 法令検索で原文を確認できます。